物語は転がりながら止まる-korotoma-

セルフライナーノーツ



sideA  はじまりの7曲


1.イントロダクション

アルバム全体の導入として作成。

SEまでいかないけど雰囲気ものの曲が導入にほしいなと。

そして、前作に引き続きジャケット絵を提供して頂いたhamacoさんの美しくも陰がある紫の絵をイメージして作りました。

あるいは、古い洋館でオールドロックを愛する男がエレキギターを弾いているようなイメージ。


2.こっぱみじんこ

10数年前に作った曲ですが、最近改めて見直しているキッチュな微生物ソング。

なお、みじんこは微生物かどうかという点には諸説あるそうですが、ひとまず、微生物ということにしておきます。

さておき、アッコウ堂の良さが全開の名演。

一発録音をベースに少し音を重ね、キュートに諸行無常をうたっています。


3.天使突抜

京都の堀川五条あたりに実際にある地名、天使突抜。その天使突抜に住む老婆、おばあちゃんの歌です。

仕事でたまりたまったストレスとフジロックで三日三晩見舞われた豪雨が脳内で結合して一瞬でできました。もうシンプルでいいやと。

雷のようなベースとシンバル、今にも雨が降り出しそうなバイオリン。

アレンジもシンプルですが、いい。


4.チェリー(という名のガールズバー)

これまた京都の木屋町という小さな歓楽街に実際にあるガー●ズバーのことを歌ったとか歌っていないとか。

ガヤやセリフにもそのガールズたちが参加しているとかしていないとか。

お店でライブ帰りで持ってたギターでダジャレまじりでふらっと作った曲をそのまま採用しているとかいないとか。


5.晴れた空

チェリーからのつながりがかっこいい。

短調に暗さではなく鋭さを感じると言ったのは確かベンジーだと思うけど、そこに便乗して、僕も短調にはえも言えぬ美しさやクールさを感じると言っておきましょう。

クバクトリヲによる演奏。

大江愛のウッドベース、もりべなおえのフルートともに、ソウクール。


6.昼下がりを歩く

シンプルな曲だけど、エバーグリーンな感じ。

再結成前の90年代アッコウ堂による音源。

エンジニアの樺山さんに多謝。

ワシントン西ヶ谷の唯一無二のベースが炸裂しています。このベースを聴くだけでも価値あり。

たこ焼き、東伏見公園、カレーは数少ない自炊レパートリー。そんな青春の一曲。


7.ガソリンがいらない自動車

A面ラストを飾るのは小さなバラッド。

こっぱみじんこ、天使突抜等の録音のため軽自動車に機材をぱんぱんに積み込んで向かった東京録音旅行。某トランプの娘が来日したのが影響したのかはわかりませんが、高速道路は大大渋滞。途中に何度給油したことか…。

そんな疲れ満載の中、録音へのワクワクで東京に着いたものの全然眠れず、朝方にキャット中西くんとのデュエット曲を作ろうと思いついて、作った曲。

ちなみに、できたその日に宿泊していたホテルで録ったのがsideDの12で、このsideAの7はそこから少しアレンジを加えたものとなります。

なんか嬉しくてこのアルバム中、3テイクが入っています。どうぞお聴き比べください☺︎



sideB  ロック・空色・REC


8.キレイな服でも着させてあげよう

落ちたときこそ、落ちた気持ちのときこそ、せめて洋服ぐらいキレイな色で。

あるいは自由になってほしくて。

自分に全く正直になれずに自分を大切にできていないのに、なぜかしらしんどい思いをして他人や世の中にがんじがらめになってる人に。

つまり精神的にはボブディランです。

この曲からのsideBはロックをテーマに編纂しています。


9.ヘリコプター・狸・わさび

隠れた名曲。

ポストロック、音響系。まで言うと言い過ぎか(^^)

音楽や表現や、あるいは人生にとって大きいひとつの要素は即興や偶然なのかなと最近思う。

sideBには即興によるテイクが2つ入っていて、ひとつはこの狸の曲です。

平沼和弘の宇宙なギターに触発されて出てきたのが、ヘリコプターという言葉であり、狸やわさびという言葉とイメージです。


10.バッタ

このアルバムの中で最もまともな曲。

まともというのは、コードやメロディの展開がしっかりしているという意味で。

そういう意味でロックかな、この曲は。皮肉や逆説ではなく。

秋の枯れ草色したバッタ。公園。うっすらとした日だまり。

なぎら健壱や葛飾にこの曲が関係しているかは知るよしもありません。


11.欠損

整った世界から一気に壊れた世界へ。

ジャーマンプログレのような神経質な人の頭の中を覗き見したような。

欠損。人は誰しもポンコツ。それさえ歌えればオッケー。

ルーパーを使用しつつの一発録音プラスバイオリン。

キラキラと神経の上をこぼれ落ちるキャットのエレキギター、ワシントンの漂う酔いどれピアノとオルガン。

タロット続木のドラムスが秀逸。


12.胸いっぱいの愛を

ラブツェッペリン。

ラブプラント。

ラブボンゾ。


13.インターバル

空白は、くうはくとセンチメンタルに読むのではなく、そらいろと読むのですよということを説明するためにパンデイロ叩き語り。

ろくでもないけど、このろくでもないことができる自由さが音楽であり人生ではありませんか。


14.即興曲

とあるライブの日、デュオでと予定していた演奏者が風邪で来れなくて、ひとりで何をやろうかとせっかくなので普段あまり有効活用していないルーパーをと即興でこころみた3つの小曲。

このライブ中と思えない静けさ、リアクションの無さ、それが逆に本当に即興をしたときのリアリティと受けとってもらえるか否かはあなたしだい。

意外や意外、この内のスナックの曲がその後のライブの定番曲となることは、また後の話。


15.雨あがりの夜空に

バラードにするのがこの曲の歌詞にあう。

B面のロックサイドを最後にしめる。

即興曲でボロボロに傷ついたあとで、この曲もまたボロボロと音を変えながら爪弾かれる。

訥々と。夜の暗がりのなか。